2015年12月21日月曜日

第5回 源流の森を歩く



今回で第5回になる源流の森を歩く。
基本的に自分たちが源流から海へと続く水の流れもつながりを意識するためにしている取り組みなので、申し込みがなくても家族で必ず歩くようにしています。今回は前日からお泊まりしてくれていた2家族が参加してくれました。

当日はそれはそれは素晴らしい天気に恵まれました!



いつもの天文台からの眺め。大阪北のビル群や六甲山系、空気の澄んだ日であれば海まで見えます。



人の暮らし方はここ数十年で大きくかわってしまったけれど、この山々が連なる雄大な景色は変わることなくここにあって、何百年も前の人も同じように見ていたのかもしれないねと話しました。




源流の森を歩く前に猪名川の源流を見に行きました。猪名川の源流の1つはなんとキャンプ場の中にあります。表示もないしとてもそっけない場所。







しかもキャンプででたゴミが谷に集まって溜まっているので源流の神々しさみたいなものが微塵ものがありません(;´Д`A
というわけで毎回恒例のみんなでゴミ拾い。こどもたちも大活躍であっと言う間にビニール袋3つ分のゴミが集まりました。



流れている水もチョロチョロで頼りない。でもここから流れはじめた水が大きな川の流れとなって海に注いでいると思うとなにか不思議な気持ちが生まれてきます。こどもたちに話すとピンとはきていなくても同じような感覚はあるみたいですね。

では森を歩きに行きましょう!
今回は夏に参加してくれたみなさんなので、夏の森と冬の森の違いを比べられるので楽しみです。




まずは明るい!そして葉っぱが落ちているから見通しがめちゃくちゃ良い!先に歩いていった子どもたちも丸見えです(笑)


夏はこんな感じでした。葉っぱが日陰を作ってくれてとても気持ちよかった。


大きな岩を見ると登りたくなるのはどうも人のDNAに組み込まれているのかな?(笑)この岩には必ずみんな登ります。そしてここからの眺めも葉っぱがないのですごかったです。



青空をバックに写真をとると、高〜い山の山頂で撮影したみたい(笑)
でもここは尼崎や伊丹から1時間とすこしで辿りつける場所なのです。みんななぜか遠くに良い場所を探そうとしますが、素晴らしい場所というのは案外身近にあるんですよ。

冬の森は歩いていてもいろんな発見がありました。大きな霜柱や



苔たちの作り出す箱庭のような美しい世界。







霜で凍った苔も綺麗。みんなで撫でてみたりしました。



個人的には腐った木の断面が綺麗でした。



枯れている木にキノコが生えて脆くなり風に倒され土に還っていきます。その上に広葉樹が葉を落とし土を覆います。



この葉の下で芽吹きを待つ種たちや虫たちが暖かい春の訪れをいまかいまかと待っているんですね。

そんなことに想いを馳せながら、こどもたちはワイワイいいながら、あっと言う間に折り返し地点の大岩に到着。

この岩はこのトレッキングコースのシンボル的な存在です。



間を通り抜けられたりするので楽しい。何百年も前の人もこの隙間を通ったでしょうか(笑)



コースとしてはまだ先に続くのですが、子どもたちの足とお腹ではここが限界。元来た道を引き返し、お腹がぐーぐーなりまじめるころには最初の天文台に帰ってきました。



12月半ばだというのに暑くて、こどもたちはTシャツでしたσ^_^;

こうして無事に終わった第5回源流の森を歩く。今年はこれが最後になります。

この取り組みを通して、大人には源流から海へとつながる水の流れを意識することで、その流域に起こっている様々なことをひとつの問題として捉え直すことを提案しています。
また子どもたちには鳥のように俯瞰してをものを考えられる力と、想像力やイメージする力を小さなうちから持ってもらいたいというのが目的です。

どうしても目の前に問題が起こったときにはその問題だけを直接対処してしまいがちです。でも目に見えていることというのは実際には氷山の一角のようなもので、そこだけを見て対処しても根本的な解決にはつながらないと思うのです。

いじめ、貧困、ネグレクトなどの町で起こっている問題も、少子高齢化や過疎化、農業の担い手不足といったような村の問題も、それだけを切り取って考えるのではなくひとつの流れの中で捉え直すことで新たな道が開けていくように思います。かまどdeごはんや源流の森を歩くはそのための布石だと思っています。

この取り組みは来年以降も継続していきますので、興味のある方はぜひ参加してみてください。よろしくお願いします。

出口

2015年12月15日火曜日

お醤油搾り講座


12月13日にお醤油搾りをしました。
12月とは思えないぐらいの陽気で、とても気持ちの良い搾りになりました^o^裏山の紅葉もまだ残っています。


午前中はわろうだで仕込んでいたもろみの搾り。わろうだは家族での参加が多く、子供たちもたくさんきてくれました。お母さんのおなかの中にいるときから醤油仕込みに参加してくれている子もいるのがすごい!実はうちの子供もその1人。6年という時間の流れを感じます。

まずはもろみの味見からとても良い色になってますね!


子供たちももろみの試食。これがおいしくてなかなかやめられません。中には「指一本ずつ10回味見した」という子もいたみたいです。小さなころから本物の味に触れてもらえるのも嬉しいです。


味見の結果としてばんまい仕込みの方は太陽をたくさん浴びて旨味の強い濃口に、わろうだの方は日照時間はすくないけどじっくり熟成して香りの良い薄口に仕上がりました。

さて、味見のあとはもろみを熱湯でゆるめます。


この時点ではまるでココア。これがあの澄んだ琥珀色の液体になるとはこの時点ではまったく想像できません。


子供たちも大活躍でもろみをゆるめていました。あとは搾り師さんの手で搾り袋に流しこまれ搾り器のなかに詰めていきます。


出口付近で醤油の出待ちをする子供たち(笑)スーパーヒーローでもゆるキャラでもなく醤油だというのが微笑ましい限りですね。


ついに出た!何度仕込んでもこの瞬間が一番嬉しいです。子供も大人も大興奮!歓声をあげながら味見しまくります。手のひらにためて飲んでいる人たもいましたが、それはやめましょう(笑)

よく見るとこの時点ですでに琥珀色に変わっているのがわかります。あのココアがこんな色になるなんて不思議ですね。

お醤油を搾りながら同時進行でお昼ごはんの準備。鉄の羽釜で25合のお米を一気に炊きます。お米を炊くのはいつも男性陣が中心。お父さんは火が好きです(笑)


野菜を切るのは女性陣が中心。なぜかいつもこんな感じになります。逆でも良いのにね(笑)


野菜はもちろんオガクロがお世話になっている農家さんたちのもの。今回は芋煮がメイン。こちらはてらだ農園さんの小野芋。粘りが強く柔らかくて美味しいです!ただ煮崩れしやすいので大きなセイロにたっぷり入れて蒸しあげてから鍋に投入します。


ごはんを作っているうちにお醤油はどんどん流れ出ています。ある程度たったらジャッキで圧力をかけていきます。この加減が醤油搾り師のうでの見せ所。


そして搾りも最後の最後になって一番澄んでいるお醤油ができます。これが生醤油。


とにかく香りが良く雑味もなくて「あーこれが醤油なんだなあ」と実感できます。貴重な生醤油は非加熱のまま持って帰っていただきます。

そして生醤油が出る頃にごはんができあがりました!芋煮も40人前なので味噌の量も違います。

 

実はわろうだのイベントでの食事は東日本大震災の炊き出しの経験から災害時の炊き出しの訓練も兼ねています。羽釜と薪を使ったやり方なら電気やガスが止まった中でも何十人分もの調理ができます。子供も大人も一度経験しておけばなんとかなるはず。そういうことを日常の中に入れ込んでいくことが本当の防災だと思います。


参加者みんなで美味しいごはんを囲みました。子供たちもびっくりするぐらい良く食べます。しかしメインはなんといっても醤油です!今回絶品だったのはこちら↓


樽から流れ落ちる醤油を羽釜で炊いたごはんに直接かけていただく生醤油ごはん!これはすごかった…。どんな料理人もかなわないんじゃないかな(笑)

そしてこちらは定番の焼きおにぎり。


炭火で焦げたお醤油が香ばしくて…。形は悪いですが味は太鼓判ですよ!

こうして1日かけて2樽のお醤油を搾りました。3月の仕込みから約9ヶ月で大豆と小麦の緑色の麹が琥珀色の醤油に変わるのだから発酵というのは本当に不思議なものです。

そして何より大切だと思うのは大人はもちろん子供たちに大豆と小麦が醤油に変わっていく過程を体験してもらえること。自分たちが手をかけたもろみがお醤油に変わり、その味や香りを喜びと共に記憶の中に刻みこんでもらうことができることだと思っています。

来年のお醤油仕込みにすでにたくさんのお問い合わせをいただいていますが、諸事情あってまだ未定の状態です。また決まり次第ご報告させていただきます。よろしくお願いします。

オーガニッククロッシング
出口

2015年12月3日木曜日

CPAOにゆず酢を届けました。







先日、わろうだで開催したゆうのたましぼりのときにみんなで搾ったゆず酢を大阪子どもの貧困アクショングループCPAOに届けました。

昨日、代表の徳丸さんから御礼のメールが届きました。ゆうのたまりしぼりに関わってくれたみなさんや農家さんにも感謝を伝えたいということで、いただいたメールをブログに転載させていただきます。

以下転載
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バタバタしていて連絡が遅くなりましたが、お野菜に特にゆず酢!!お届けくださり、ありがとうございました。

ゆず酢は風邪気味の子がけっこういたので、早速、お湯で割り、ハチミツをいれて、みなでいただきました。

美味しすぎて、子どもたちにも大好評でした♪お代わりお代わりとうるさかったのですが、貴重なものなのでまた今度ねと伝えました。
年末年始のツアーにも持って行き、ゆずポン酢にしてお鍋に合わせ、いただきたいと思います。

本当にありがとうございました。
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はちみつゆずジュースは子どもたちが大好きなので、きっと喜んでもらえるだろうなーと思っていました。ゆず酢はお酢の代わりとして使えるので普段の料理でもきっと活躍してくれると思います。CPAOという食べられない子どもたちへ食事を提供する場の調味料の自給という意味でも力になると思います。なければつくるの精神で(笑)

みんなで搾ったゆず酢がたくさんの子どもたちの笑顔につながっています!ゆうのたましぼりに協力していただいたみなさんありがとうございました!



僕が大切だと思うのは、ゆうのたましぼりという取り組みの流れのなかには搾取や差別を受ける人も、悲しみや絶望にくれる人も、憤りや不満、怒りをあらわにする人もいない、ということなんじゃないかと思います。

木頭という山村のじいやばあも、収穫を手伝ってくれたみなさんも、ゆうのたましぼりに参加してくれた人も、そしてCPAOのみんなも、関わる人たちがみんな笑顔になることができる。

どこかの誰かの負担や苦しみの上に成り立つ社会はもう破綻しています。表面化してきているさまざまな社会的な問題も根底はきっと同じです。その根底をほぐして整えていかないと本質的な問題解決にはつながらないと思います。

大地の再生の矢野さんからお聞きしたように、澱むことなく流れながら人々の暮らしを潤してくれる水や自然の仕組みに見習いながら、これからも八百屋や流通のあり方を考えていきたいと思います。